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実践編

実践編


騒音差止めの申入れ書

一般的な、上階の子どもの飛び跳ねる騒音に対する、差し止め要求の通知書の文例です。
騒音の主たる原因としては、
子供の奇声や夫婦喧嘩、TVやピアノなどの楽器音、深夜の洗濯機や掃除機、トイレやバスの給排水音などがあります。
集合住宅においては、お互いに一定の範囲で、我慢をして譲り合う必要があり、この「受忍限度」を超えているかどうかが問題となります。
受忍限度とは『被害の度合いが一般社会で考えられている考え方や常識上忍耐できる限度』と定義されています。

東京地裁平成6年5月9日判決
東京地裁平成8年7月30日判決
「集合住宅における騒音被害・生活妨害については,加害行為の有用性,妨害予防の簡便性,被害の程度及びその存続期間,その他の双方の主観的及び客観的な諸事情に鑑み,平均人の通常の感覚ないし感受性を基準として判断して,一定の限度までの騒音被害・生活妨害は,このような集合住宅における社会生活上やむを得ないものとして受任すべきである」

騒音などの近隣トラブルでは、加害者が被害の程度を認識しておらず、主観的な過剰反応であると誤解されていることも多くありますので、客観的なデータや具体的な被害状況を記載することも重要です。

地方自治体によっては、騒音計の貸し出しなどもしている場合が多くありますので、ご確認なさって下さい。




騒音等に対する差止要求通知書

平成●年●月●日


被通知人
 東京都●●区●●
 ●●マンション000号室
 乙野 太郎 殿
通知人
 東京都●●区●●
 ●●マンション000号室
 甲野 健一


 冠省。
 早速ですが、貴殿に対し、以下の通り通知いたします。
 私は、貴殿が居住するマンションの階下に平成●年●月より居住しており、平成●年●月より皆上に居住し、生活をしております。
 すでに、これまでも、再三にわたって申し入れをしてまいりましたが、貴殿が居住するようになってから、貴殿宅から、子どもの走り回る音や飛び跳ねる音、叫び声などが、連日にわたって夜9時以降まで繰り返されております。
 音量や時間帯、反復性など、いずれも、許容限度をはるかに超えるものであり、現在、私たち家族は、夜もまともに寝付けず、睡眠障害と偏頭痛に苦しみ、通院加療を要するなど、日常生活や家事にも多大な支障をきたす状態に至っております。
 そして、管理会社へも相談し、貴殿宅へ度々にわたる注意警告がなされておりますが、残念ながら、未だに一切の改善がなされず、むしろ貴殿は逆切れして私たち家族を罵倒するなどの言動に終始するなど、謝罪はおろか、反省や改善の見込みも無く、平穏な生活を侵害され、今後将来の生活にも不安を抱えております。
 そのため、今般、やむを得ず、私は、東京都庁へ相談してアドバイスを受け、騒音計によって計測を行いましたところ、貴殿宅からの騒音は、50db~65dbという、東京都の条例が定めた騒音レベルを超えていることが判明しました。
 当然ながら、貴殿の子どもが発生させる騒音については、民法第714条の定めにより、貴殿自身が監督義務者として責任を負うものであり、上記のとおり、私の被った騒音の被害は、社会通念上の受忍限度を超えるものであり、不法行為(民法第709条)にあたります。
 裁判例においても、子どもの起こす生活騒音について、慰謝料の支払いや治療費の支払いを命じる事例が数多くあります。
 つきましては、私は、貴殿に対し、本書面を以て、以下のとおり要求する次第です。
【私の要求内容】
慰謝料として、金50万円を本書面受領後1週間以内にお支払い下さい。
即刻の騒音中止と、以後一切の騒音が生じないよう、必要な措置を講じて下さい。
騒音の事実を認め、以後生じさせない旨の誓約を明記した謝罪文を提出して下さい。

 なお、本通知書で提示している条件は、あくまで裁判外での解決をする場合のものであり、貴殿に対して過分な費用や労力の負担を発生させないために提示しているものであります。
 そのため、貴殿が事実を認めて謝罪し、適切な措置を講じると約束をするのであれば、慰謝料の請求に関しては、留保する用意があります。
 しかしながら、もしも本書面到着後1週間以内に、何らの誠意ある回答も頂けない場合には、上記提案はすべて破棄とさせていただき、別途、●●簡易裁判所に対して、民事訴訟を提起する所存ですし、その場合には、上記請求額の増額のみならず、治療費や騒音測定費用、および弁護士費用も付加しての請求となりますので、ご承知おき下さい。
 また、本件に関する今後の連絡事項については、言葉の齟齬によるトラブルを回避するため、すべて文書のみとして下さい。
 以上、宜しくお願い申し上げます。

草々