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自分で内容証明の作成と送付を行う場合の確認項目

色々な理由で、弁護士や行政書士などの専門家に頼まずに、自分個人で内容証明の作成と送付を行うという場合があると思います。

  • 時効の援用やクーリングオフなど内容証明郵便の発送だけで済むと思われる場合
  • まずは相手の出方をみてから、示談解決するか法的に争うかを検討したいという場合
  • 事前の注意や警告、または、経済的な利益が低いため弁護士に頼むほどで無いという場合
  • 自分自身の勉強や経験のために、すべてを一通り、きちんと自力で進めてみたいという場合

個人で内容証明郵便の通知を作成、送付する場合の確認すべき項目をまとめてみました。


■タイトル(標題)

タイトル(標題)は必ずしも記載しないといけないものではありません。

ただし、どのような趣旨であるか分かるように、出来る限りは簡潔で分かり易いタイトル(標題)を付ける方が良いです。

■差出人・受取人の記載

住所や氏名に記載の誤りがあると、再発送の手間が増えるだけではなく、誤配達などトラブルや送達不能のリスクも生じますので、必ず確認しましょう。

また、事案の性質によっては、受取人の自宅に送る場合、同居家族に知られないように「本人限定受け取り郵便」というオプションもあります。

受取人の勤務先に発送する場合には、他の人に開封されないよう、「親展」の奥付を明記するなども大切です。

また、法人や団体に送る場合には、その本店ないし本部の住所を記載し、代表者の表示も記載しましょう。

■事実経緯の確認

事実の発生した順序や内容、関係する当事者など、事実の相違があると、あとで争いとなりがちです。正確な内容のみが記載されているかを確認して下さい。

■主張や要求の内容の確認

出来る限り、何を主張または要求しているのか、など、主張や要求の趣旨内容を明確にしておく必要があります。

具体的な証拠はがあるのか、法的根拠は明記しているか、あるいは、脅迫などの誤解を招く表現になっていないか、などは良くご確認なさって下さい。

法令上の条項や罰則、類似事案での判例、などの記載を添えるとより効果的になります。

なお、相手からの具体的な反論が想定される場合は、不要なやり取りを増やさないために、予め、その点に関する補足説明や釈明なども明記しておくのが最善です。

■書面に対する回答や支払いの期限

相手に、回答や履行を求める場合、期限を明確にしておくことが大切です。

これにより、相手に回答や支払いの意思があるかどうかが明確になり、次のステップに進む時期の予定を立てやすくなります。

また、その期限が経過した場合にどのような手段をとるか、出来る限り明確に伝えた方が効果的です。

裁判所への民事訴訟提起や警察当局への刑事告訴、監督官庁への行政処分の申立など、必要に応じて明記すると効果的です。

■差し出し日が適切かの確認

特に、工事代金や飲食代金、賃金などの短期消滅時効にかかる債権の請求については、差し出しが遅れることで、相手に時効援用されてしまう場合があります。

あくまでも意思表示が到達しないと「時効中断」

し、約束の期限が到来していないで請求してしまうと、違う意味でトラブルになるおそれがあります。

逆に、時効援用をしようとする場合、確実に時効成立していないのに通知を送ってしまうことで、相手に時効中断措置を講じられてしまう場合もあります。


その他、個別に確認すべき項目は多々あります。

これは書ききれませんが、良くあるケースとしては、以下のようなものがあります。

怪我をさせられて慰謝料ないし治療費を請求するという場合であれば、具体的な請求項目(治療費や通院交通費、休業損害、物損、慰謝料など)の内訳や、慰謝料の算定根拠の説明など記載する必要な無いのかという点も確認が必要です。

時効の援用をする場合であれば、弁済の猶予を求めるような記載をすることで「債務承認」=時効援用できなくなるおそれがありますので、注意が必要です。

また、そもそも時効の援用というのは、原債務が存在していることを前提での主張ですから、そもそも契約の無効や不存在を主張したいのであれば、時効の援用をすべきであるのかという問題も十分に考慮しておく必要があります。

解雇予告手当の請求をするという場合、それ自体が、解雇そのものの存在を認めていることになりかねませんので、解雇無効として賃金を請求するのかどうかという選択肢も考慮しておくべき必要があります。

また、相手に舐められないように、それなりにきちんと対応しないといけないと自覚認識させるための、表現や言い回し方法など、書き方の工夫というものも重要です。