取締役辞任届
取締役というのは、会社との委任契約(民法651条1項)であるため、原則として、いつでも自由に辞任することが出来ます。
ただし、やむを得ない事情がある場合を除き、相手方に不利な時期に委任の解除をしたとき、損害を賠償しなければならないことがありますので、注意が必要です(民法651条2項)。
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なお、辞任によって、定款等で定めた役員の最低員数を欠けてしまう場合、新たに選任された新取締役が就任するまでの間、役員としての権利義務が残ります(会社法346条1項)。
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代表取締役が辞任する場合については、原則として、他に代表取締役がいる場合にはその代表取締役に対して辞任の意思表示を了知させるか、他に代表取締役がいないときには、取締役会を招集して、取締役会に対して辞任の意思表示をすることを要します。
ただし、他の取締役全員に辞任の意思を了知させた場合や、会社の幹部社員に辞任届を渡したことをもって、辞任の効力を認めた裁判例があります。
下記文例は、代表でない取締役が辞任する場合の、文例サンプルです。
取締役辞任届 令和●年●月●日
被通知人 冠省。 早速ですが、以下の通りご通知させていただきます。 さて、早速ですが、私は、今般一身上の都合により,令和●●年●●月●●日をもって,貴社の取締役を辞任しますので、通知いたします。 つきましては,速やかに取締役辞任の変更登記手続きをして頂けますよう,お願いします。 なお,会社法第915条の定めにより,辞任した日の翌日から2週間以内に変更登記をしなければならず,この辞任登記手続きを怠った場合,裁判所より過料などの制裁を受けるおそれがございますので,ご注意下さい。 また,辞任登記の遅延によって当方に損害などが発生した場合には,別途、貴社に対して損害賠償請求または求償請求をすることがありますので,申し添えます。 なお,今後もしも私への連絡などの必要が生じた場合は,すべて文書のみとし、電話やメール、来訪その他の直接折衝はご容赦下さい。 以上、よろしくお願い申し上げます。 草々 |
その他の法人の辞任届
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