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実践編


実践編


妊娠中絶の費用分担請求書

一般的な、交際当事者間で、妊娠が発覚した後に男性側が態度を翻して強硬に中絶を要求し、責任逃れに終始している事案に対する費用分担請求書面の文例です。




妊娠中絶の費用分担等請求通知書

被通知人
 東京都●●区●●町●丁目●番●号
 丙山 次郎 殿

通知人
 東京都●●区●●町●丁目●番●号
 甲野 華子


 冠省。
 私は、貴殿と、平成●●年●●月●●日に、●●●●を通じて知り合い、同年●月より交際をするようになりました。
 そして平成●●年に妊娠が発覚し、私は産んで育てたいという意思を伝え、貴殿からは、当初は、協力するから一緒に頑張ろうとの言葉もありました。
 しかしその後、貴殿は態度を翻し、強硬に、中絶するようにとの要求を繰り返して、話し合いにも応じないようになり、さらには「結婚しないし、産むのなら認知もしないし養育費も支払わない」などと言い出し、挙げ句の果てには「俺の子どもかどうか分からない」などと突き放すような発言をするなど、不誠実な態度に終始しております。
 そのため、私としては、産みたい思いはあるものの、産んで育てることができないという状況に追い込まれ、人工中絶手術をするほか選択肢がない状態を余儀なくされてしまいました。
 もちろん私は、当時から現在に至るまでの間、貴殿の他には異性関係は一切ありませんでしたので、貴殿の子であることに間違いはありません。
 なお、男性のあなたには理解も想像も及ばないのかもしれませんが、人工中絶手術とは、自然の理に反した立派な殺人行為です。
 本来産まれるべき生命を、スプーンのような器具で、意識があるまま、頭を潰され、体をバラバラに切り刻まれ、無理矢理外へ掻き出されるのです。
 必死に子宮の中を逃げ回り、助けを求めてしがみつき、苦しみながら死んでいくそうです。
 さらには、医師からは、母体である私の体にも負担が大きく、今後妊娠出産できなくなるリスクが高まると告げられ、私は、将来的な危険による不安まで抱えております。
 そのため、私は、自己の性的快楽のみのために私の体を弄び、避妊もせず、中絶という結果に対して一切の責任すら取ろうとしない貴殿の態度に憤りすら感じております。
 すでに、以下のとおり、裁判においても、中絶に至る経過や、その後の不誠実な態度に対しては、慰謝料の支払いを命じております。
 東京地裁 平成21年5月27日判決
「共同して行った行為の結果,一方に心身の負担等の不利益が生ずる場合,他方は,その行為に基づく一方の不利益を軽減しあるいは解消するための行為を行うべき義務があり,その義務の不履行は不法行為法上の違法に該当するというべきである。
 本件性行為は原告と被告が共同して行った行為であり,その結果である妊娠は,その後の出産又は中絶及びそれらの決断の点を含め,主として原告に精神的・身体的な苦痛や負担を与えるものであるから,被告は,これを軽減しあるいは解消するための行為を行うべき義務があったといえる。しかるに,被告は,どうしたらよいか分からず,具体的な話し合いをしようとせず,原告に決定を委ねるのみであったのであって,その義務の履行には欠けるものがあったというべきである。したがって,被告は,義務の不履行によって原告に生じたということができる後記損害を賠償すべきである」

 つきましては、私は貴殿に対し、せめてものケジメとして、本書面を以って、以下のとおり要求する次第です。
【要求】
中絶にかかる治療費、妊娠期間中の休業損害、慰謝料、などの総額金●●●万円の半額として金●●●万円を本書面受領後1週間以内にお支払い下さい。
これまでの事実経緯に対する謝罪文を、直筆の書面で提出して下さい。
本書面記載の内容について、一切の第三者に口外することを禁じます。

 なお、本通知書で提示している条件は、あくまで裁判外での示談をする場合のものであり、貴殿に対して過分な費用や労力の負担を発生させないために提示しているものであります。
 よって、もしも本書面到着後1週間以内に、何らの回答も頂けない場合には、残念ながら、弁護士に一任の上、●●地方裁判所に対し、慰謝料等請求事件として訴訟を提起せざるを得ず、その場合には、上記請求金額の増額のみならず、弁護士費用や訴訟費用も付加して請求することになりますので、ご承知おき下さい。
 また、今後の連絡事項については、すべて書面のみとし、くれぐれも私の家族等への電話や訪問等の直接折衝などはご容赦下さい。
 以上、宜しくお願い申し上げます。
銀行名●●●●銀行
支店名●●●●支店
預金種別普通預金
口座番号●●●●●●●
口座名義●● ●●

草々